そういえば最近、長傘の先っちょがあんまりすり減らなくなったな。
雨が降ってる。
久々に家でゆっくり雨の空を眺めながら思うことがあった。
「そういえば最近、長傘の先っちょがあんまりすり減らなくなったな。」
いつからだっけな、
雨の日が憂鬱って思うようになったのは。
いつから雨の日が嫌いになったんだっけな。
ちっちゃい頃は汚いとも思わず空に向かって大口あけたり、長靴でぴちゃぴちゃしたり、雨の日だってあんなに楽しかったのに。
いまの自分が子どもの頃みたいに雨の日を満喫したらどうなるだろう。
傘もささずに大口あけて空向いてたり、ハタチ超えたいい大人が深めの水たまりでぴちゃぴちゃしてたり、完全に「あっち見ちゃダメよ」な人だよな。
とてもじゃないけどちっちゃい頃みたいに雨の日を満喫なんてできそうもない。
人の目とかマナーとかを気にするようになりはじめてから、雨の日が嫌いになったような気がする。
自分だけの世界から少しずつ視野が広がり周りを見ることができるようになって、それと同時に自分だけの世界が少しずつ狭くなっていく。そんな感覚を大人になるとともに感じている。
いくつになっても雨の日が好きな大人でありたい。そんな風に思う台風前の静かな雨の日だった。